口呼吸の悪影響

こんにちは。以前予告したように口呼吸とその弊害に付いてお話ししておきましょう。

確か以前は「授乳期に鼻呼吸を確立する・・」と書きました。「哺乳動物で口呼吸できるのは人だけ・・・」とも。

鳥類はもともと気道と食道は繋がっていません

哺乳動物(四足歩行)は殆ど鼻呼吸をします。四足歩行動物はその姿勢上、口と食道・鼻と気道が水平に一直線でそのため鼻と気道、口と食道を明確に遮断できるからです。もちろん例外もあります。皆さんも見た事があるでしょう。暑い日に犬が舌を出して、荒く口で呼吸をしているのを。確かにそれで呼吸ができるのですがあれはあくまで呼吸の為ではなく、体温調節の為と云うのが本当の所です。

 さて二足歩行になった人の喉はほぼ直角に曲がり短くなったため、器用に声を出せるようになり、同時に口呼吸が可能になったのです。しかし口呼吸は負の進化でした。人は鼻で呼吸する事で、冷たい空気を鼻腔で温め、適度の湿気を与え、空気中の埃やゴミを鼻毛で濾過し、そこに含まれる細菌やウイルスを取り除いて肺に送り込んでいます。それが口呼吸ではダイレクトに外気が肺に入ってしまいます。当然喉を痛めやすく、風邪を引き易く、いろいろな感染症にかかりやすくなります。アトピーに対するリスクも上がります。

さてお口の中の被害はもっとダイレクトです。

口呼吸ではいつも口が開いているわけですから、口の中はいつも乾いています。口内炎ができやすく、歯肉は炎症で腫れ上がっているでしょう。すぐに固まってしまう歯垢の中は自浄作用がなく虫歯にもなりやすくなってしまします。

舌は歯をいつも中から外に押し出す力を加えています。例えば皆さんいま唾を飲み込んでみてください。舌が内側から強く前歯の裏を押しますね。歯を押さないように唾を飲み込む事は不可能なはずです。その時唇は閉じてこれも強く前歯を外から中へ押込んでいるのです。しかし唇を開いていても舌を工夫すれば唾を飲み込む事は可能です。

歯は一度萌出すると一生その場で留まる訳ではありません。舌と唇(口輪筋)の力のバランスの取れた所に集まる様にできています。もしもいつも口呼吸をしていて尚且つ食べ物を飲み込む時も唇を開けていたら、歯は舌の力に負けてどんどん前に出てしまいます(出っ歯)。ひどくなると出っ歯のせいで口が閉じれなくなり、奥歯を噛んでいるのに開いたままになってしまいます(上の写真は開咬のかなり悪い症例です。奥歯で噛んでいるのですが、前歯どころか小臼歯でも咬めていません。この子は現在うちで治療中で、だいぶ良くなってきました。)。食事の時のクチャクチャ音を立てて食べる子供がいます。あれは噛む時に唇が閉じていない為に音が出るのです。食事が遅い・いつも唇が開いている・蓄膿の傾向があるなど子供で気になる事があったら、歯科医に相談してください。


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