前回、小児に力を入れるという挨拶を書きましたが、勿論大人の患者さんをないがしろにすると云う意味ではありません。
現在坪内歯科医院では大人の患者さんの歯周病予防を中心とした予防歯科治療が定着していると自負しています。
多くの患者さんが当医院で歯周病の治療を受けられ、治療終了後も自ら選んで定期的に来院され、メインテナンスを受けられて健康な状態を維持されています。
4人のベテラン衛生士が担当制で患者さんの口腔管理を行なってくれており電話でやり取りするだけで患者さんの口の中を殆ど把握していてくれており、頼もしい限りです。
来院中あるいは治療が終わった患者さん達の新患さんの紹介も多く、結構重度の歯周病の患者さんが来院され頭を抱える事もあります(そんな時はこの年になっても勉強不足を痛感させられます)
以前こんな事がありました。当医院で歯周病の治療を終了し、長期のメインテナンスに入っていた男性の患者さんが、メインテナンス来院時に
「先生驚きました。先日歯の衛生週間中にデンタルフェスタ(毎年6月4日〜1週間芦屋で行われる虫歯予防のイベント。フェスタや無料健診,無料フッ素塗布、などが行われる)があり暇だったし興味本位で出かけてみたんです。
その時歯の表面の汚れの中の細菌を顕微鏡で見せてくれると云うので私の口の中の歯周病菌を見てやろうとお願いしてみたんです。
ところが先ず歯垢がなかなか取れない。診て頂いた歯科の先生だと思うのですがとても綺麗に磨けていると褒めて下さいました。
驚くのはこれから。何とか見つけた歯垢を顕微鏡に入れて覗いてみたら、何と殆ど細菌がいなかったんです。苦労してやっと見つけて見せてくだすったんですけれど、担当の歯科の先生驚いておられました。逆にいろいろ質問されましたよ。
いつもご指導してくださっている先生のおかげです」
こんな話を患者さんから聞くと本当にうれしくなります。
歯科医師冥利に尽きるお話です。
勿論私のお陰ではありません。その患者さんも以前はかなりの歯周病を患っておられました。しかし1年以上かけて一生懸命努力され自分で治し、自らメインテナンスをしておられるのです。
私たち歯科医師と衛生士はそのお手伝いをしているだけです。
次回につづく。
2012年5月11日
坪内英之